おうちでおたる | 2020.07.01

小樽百景~小樽の鳥観図その2

小樽市総合博物館Facebookより

小樽の鳥観図その2

運河館第一展示室に展示している、吉田初三郎作「鳥観図 小樽」は微細に表現された昭和6(1931)年当時の小樽市街を鮮やかに描いた図で、運河館の展示の中でも人気の高いものです。

裏面には…   

ところで、この図には裏面があるのをご存じでしょうか。

当館が所蔵するものは、小樽の老舗旅館「キト旅館」の表紙がついたもので、小樽の概要が掲載されています。昭和6年当時の小樽が、「小樽といえば」と考えるものが並んでいます。もちろん統計などの部分も面白いのですが、カットとして選ばれている写真のチョイスが興味深いです。

旭山もしくは西陵中学校付近からの市街俯瞰のほか、銀行、艀が並ぶ運河、港内での荷役作業、公会堂、水源地、北海製罐、水天宮、尼港殉難碑、住吉神社、手宮洞窟、築港の扇形機関車庫です。(銀行街の写真は「色内町ビジネスセンター」)となっています。)

奥付を見ると、発行人は小樽市役所となっていますので、おそらくこのチョイスにも地元の役所が思う「小樽らしい」ポイントが選ばれていると考えています。

ちなみに「著者・印刷者」は名古屋市の住所で「吉田初三郎」、「印刷所」は初三郎が経営したプロダクション「観光社」となっています。つまり、小樽市役所が、初三郎に依頼、もしくは委託制作したもので、小樽市には製品が納入されたと思われます。さて、キト旅館はどのようにかかわったのでしょうか?

表紙にキト旅館と印刷され、携行できる形になっています。小樽市役所から中身だけ買い取って、お土産用として販売したのでしょうか?価格も書かれていませんので、判然としません。

小樽市総合博物館

1956年創立。小樽の歴史と自然を紹介する運河館、鉄道と科学を紹介する本館があります。様々な企画展や講座、蒸気機関車の動態保存などの体験もできます。   【小樽市総合博物館】 ▶本館 047-0041 北海道小樽市手宮1-3-6 電話 0134-33-2523 ▶運河館 047-0031 北海道小樽市色内2-1-20 電話 0134-22-1258  ■HP→https://www.city.otaru.lg.jp/simin/sisetu/museum/ ■FB→https://www.facebook.com/otaru.museum/ ■mail→museum@city.otaru.lg.jp

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