おタテ | 2021.09.01

おたるのホタテの物語

養殖で復活した小樽のホタテ

小樽は、明治から昭和初期にかけてニシン漁とともに、ホタテ漁の先進地でした。しかし獲り尽くした結果、一端途絶えてしまいます。

その後、沿岸漁業の試行錯誤が続く中、1979年から祝津沖でホタテ養殖の試験に着手し、82年に事業化に成功します!

以降、ホタテ養殖は成長を続け、現在では漁獲量・金額ともに市内漁業のトップ水準となっています。

近年は輸出取扱も増加し、2017年には稚貝(半成貝を含む)生産高2,492トン、金額では10.3億円と過去最高を記録しています。

※「小樽市歴史文化基本構想」(2020年)より

「原産地小樽」とは知られていません

祝津の前浜で養殖されたホタテは、その大半が稚貝や半成貝(約一年半育てた状態)として、道東や東北に出荷されていきます。数年後、そのホタテは市場に出回りますが、「原産地小樽」ということは、一般の消費者には知られていません。

東日本大震災で甚大な被害を受けた三陸にも、小樽のホタテが出荷されていました。当時、小樽市漁協ホタテ部会の皆さんは、お世話になっていた浜を震災後に実際に訪れたそうです。甚大な被害に、言葉もなかったことでしょう。一年後、養殖場ごと壊滅的な被害をうけた三陸の浜に、祝津から「三陸がんばれ!」という願いを込めて、自慢のホタテが出荷されたそうです。ホタテが到着した浜には、久しぶりに活気が戻ったことでしょう。

稚貝出荷がビジネスとして確立していたため、これまで市内ではごく一部しか流通していませんでしたが、今や成貝も含め十分に安定供給できる漁獲量があります。

ブランド化プロジェクトが始動!

令和3年5月、観光庁の「地域の観光の磨き上げを通じた域内連携促進に向けた実証事業」の採択を受け、「小樽ホタテブランド化推進プロジェクト実行委員会」が始動!

小樽祝津産ホタテを「おタテ」とネーミングし、ブランド化することを目指し、海の男たちの挑戦が始まりました。

小樽のホタテはニシンの陰に埋もれて、その魅力とストーリーがほとんど紹介されてきませんでしたが、養殖で復活したホタテのストーリーは「育てる漁業」として新たに注目されています。近年、SDGsで提唱されている“循環的で持続可能な社会のあり方”についてのヒントに満ちていますね。

「小樽ホタテブランド化推進プロジェクト」の関連情報はこちらから

小樽ホタテブランド化推進プロジェクト実行委員会

小樽祝津産ホタテのブランド化を目指し取り組んでいます。

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