高橋直治
今回は、高橋直治(たかはし なおじ:1856~1926)氏について紹介させていただきます。
高橋氏は、現在の新潟県柏崎市出身で、明治10年頃に小樽へ渡航し、荒物店で働き始めます。数年後に独立、雑貨店を開店し、米穀・海産物商のほか醸造業、精米業、倉庫業へと手を広げます。
そして、さらに飛躍するきっかけは、雑穀の販売でした。これにより大正期以降「本道農産商の覇王」「小豆王」「小豆将軍」などと形容されました。
他にも、北海道初の衆議院議員の一人となったり、郷里の小学校の建築費を寄付するなど小樽に留まらない活躍をしています。
同時代的な人物評としては「機策よろしきを得て終に巨万の富を致し、小樽政治界に於て侮るべからざる潜勢力を有し」(『小樽区史 完』大正3年より)とあり、「実業家略伝」の一人目に紹介されています。
好物は田舎饅頭だとか!?
旧高橋倉庫
現在、旧高橋倉庫(現在のニトリ小樽芸術村ステンドグラス美術館)は、彼が関わった建造物(小樽市指定歴史的建造物第51号)として知られています。
まさに近代の小樽で商機をつかみ、出世を遂げた代表的な人物の一人といえます。