春に鳴くコオロギ
春に鳴くコオロギがいるのをご存知でしょうか?
エゾスズ(ヒバリモドキ科)は10 mmに満たない小型のコオロギですが、ビーッ・ビーッと地味ながら存在感のある鳴き声を、5月から6月にかけて野原に響かせます。湿り気を帯びた草地を好み、北海道から九州までの、水田の周辺などで普通に見られる昆虫です。
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黒くつやのある体色が特徴
シバスズ、マダラスズ、ヤチスズなど似た種が多いが、春に現れるのは本種だけ
しかしエゾスズは、ここ小樽では生息地が非常に少なく、むしろ珍しい生物の一つと言えます。また最近では、エゾスズが生息していた草地が次々と無くなっており、人知れず絶滅に近づいているのではないかと、心配になっています。
![エゾスズの生息地
スゲやヨモギが繁茂し、昆虫の姿が濃い
30年くらい前までは、こんな場所はどこにでもあったはず](https://otaru.jp/_sys/wp-content/uploads/2020/12/ed79e7c6114fc02c1d6198d24c853870.jpg)
スゲやヨモギが繁茂し、昆虫の姿が濃い
30年くらい前までは、こんな場所はどこにでもあったはず
昨年、嬉しいことに、市内のある場所でたくさんのエゾスズが鳴いている草原を久しぶりに見つけました。一見なんの変哲もない原っぱですが、生き物の姿がとても多く、エゾスズの他にも様々な草原性の昆虫が観察できました。
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猫の耳のような角が特徴
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エゾスズがすむような湿性の草地は小樽では貴重な場所になっています。皆さんのお近くで、もしその声が聞こえてきたら、そこは昔ながらの自然が残るとても豊かな場所といえます。野原から聞こえてくる小さな歌声に、是非、耳を傾けてみてください。
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幼虫は陸生の貝類を捕食する
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