赤岩山の蛾
2020年11月15日に、初冬の一時期にしか現れない蛾の調査を赤岩山で行いました。

競争相手や天敵が少ないこの時期を選んで活動する蛾の仲間は、実は少なくありません。中でもフユシャク(冬尺蛾)と呼ばれるシャクガ科の一部の種は、雌のはねが退化して飛ぶことができず、その異様な姿でよく知られています。
フユシャクの雌はなかなか出会うことが難しいのですが、この日は雄がパートナーを連れたまま灯りに飛んで来る珍しい場面が観察できました。

赤岩山では、市内在住の蛾類の研究家小杉時規さんが長期的な調査を継続されていて、これまでに600種近い種数を確認されています。今回の調査は、この研究のお手伝いの一環でした。


赤岩山の蛾類の調査報告は、2021年3月刊行の当館研究紀要に掲載予定です。街からもよく見える赤岩山に、いかに多様な生物が暮らしているか、よく分かる報告書です。是非ご一読ください。