おうちでおたる | 2021.02.20

小樽百景~赤岩山の蛾 

小樽市総合博物館Facebookより

赤岩山の蛾

2020年11月15日に、初冬の一時期にしか現れない蛾の調査を赤岩山で行いました。

ライトトラップによる蛾類の調査。灯りに誘引される蛾を集める

競争相手や天敵が少ないこの時期を選んで活動する蛾の仲間は、実は少なくありません。中でもフユシャク(冬尺蛾)と呼ばれるシャクガ科の一部の種は、雌のはねが退化して飛ぶことができず、その異様な姿でよく知られています。

フユシャクの雌はなかなか出会うことが難しいのですが、この日は雄がパートナーを連れたまま灯りに飛んで来る珍しい場面が観察できました。

灯りに飛来したフユシャクの一種。大きなはねのある雄とはねの全くない雌のペア。同じ種とはとても思えません

赤岩山では、市内在住の蛾類の研究家小杉時規さんが長期的な調査を継続されていて、これまでに600種近い種数を確認されています。今回の調査は、この研究のお手伝いの一環でした。

大きな触角で雌を探す、クシヒゲシャチホコの雄
枯葉そっくりのカバエダシャク

赤岩山の蛾類の調査報告は、2021年3月刊行の当館研究紀要に掲載予定です。街からもよく見える赤岩山に、いかに多様な生物が暮らしているか、よく分かる報告書です。是非ご一読ください。

小樽市総合博物館

1956年創立。小樽の歴史と自然を紹介する運河館、鉄道と科学を紹介する本館があります。様々な企画展や講座、蒸気機関車の動態保存などの体験もできます。   【小樽市総合博物館】 ▶本館 047-0041 北海道小樽市手宮1-3-6 電話 0134-33-2523 ▶運河館 047-0031 北海道小樽市色内2-1-20 電話 0134-22-1258  ■HP→https://www.city.otaru.lg.jp/simin/sisetu/museum/ ■FB→https://www.facebook.com/otaru.museum/ ■mail→museum@city.otaru.lg.jp

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