NEW OTARU
今回の資料はずばり「NEW OTARU」というパンフレットになります。

小樽市役所・小樽観光協会により作成されたもので、発行年は昭和29(1954)年ころとみられます。内容は、当時の小樽市内の観光名所案内・市勢概要・特産品紹介・旅館案内などで構成されています。
中でも、特筆すべきは「観光の小樽」と題された鳥瞰図です。鳥瞰図といえば吉田初三郎のものが有名ですが、この「観光の小樽」はどうやら違うようです。
この鳥瞰図の特徴としては、掲載されている場所の多さが挙げられるでしょう。
初三郎のものなどに比べてコンパクトに描かれているせいか、小樽駅前などは地図を埋め尽くさんばかりに建物名が並べられています。また、紹介される場所も食堂・和菓子屋・旅館・銀行などバラエティがあり見ていて楽しい資料です。
地図中で特に目立つ「白字に黒背景」で示されるスポットもなんだか独特なチョイスをしています。(追分節名歌の碑・北洋相互銀行の支店3つ・金星ハイヤー・漁協組合など)
また、逆に無いものに注目してみても面白いです。具体的には「オタモイの龍宮閣など建物の描写が無い」、「旭展望台が無い」などなど・・・。昭和29年ころという時期ならではの事情が反映されています。
他にも眺めているうちに何か「再発見」があるかもしれません。ぜひじっくりご覧になってみてください。