ツヤムネクラズミウマ
朝鮮半島などに分布するカマドウマ類の一種、ツヤムネクラズミウマ(Diestrammena coreana)が小樽市の市街地に多数生息していることが当館の調査で明らかになり、2020年12月25日に専門誌上で公表されました。
日本でこの昆虫の生息が確認されたのは初めてのことで、また、小樽でも2010年代以前には見つかっていないことから、最近侵入した外来種であると考えられます。
カマドウマ類は屋内の薄暗くじめじめした場所で見られる昆虫で、「ベンジョコオロギ」などとも呼ばれます。部屋の中に入ってくることもあり、不快な生物として嫌われますが、病気を媒介するなどの衛生的な害は知られていません。注目されることの少ない生物ですが、改めて調べてみると、現在、市内の建物内で見られるカマドウマ類には、この外来種がかなりの割合で含まれていることが分かってきました。
カマドウマの見分け方
北海道では他に、カマドウマとマダラカマドウマという2種のカマドウマ類が屋内で見られますが、これらとは、明るい茶色の体色や背中の横縞模様などの特徴で見分けることができます。また、脚のとげの数や配置に特徴があり、特に後脚脛節(すねの部分)のとげが他の種より小さく数が多いこと(45~75本が2列)が識別のポイントです。また、本州以南で普通に見られるクラズミウマとは、脚に黒い斑紋が無いこと、胸部に強い光沢があることで見分けることができます。
この昆虫の生息状況の調査では、多くの方にご協力・情報提供をいただきました。この場を借りて、お礼を申し上げます。