東京化学工業北海道出張所
小樽市役所内で「発見」された、おそらく30年まえの「市制施行70周年」の記念事業で作成したと思われるパネルのご紹介です。
昭和28(1953)年の稲穂町大通り(現 サンモール)の写真で、丸井と大国屋が並ぶ、商都小樽を象徴するアングルですが、気になったのが、左側「バンビキャラメル」の手前のお店です。
「東京名物 東化のパン・まんじゅう」とあり、さらに「東京化学工業北海道出張所」とあります。
昭和28年と言えば、終戦の混乱期をのりこえ、住友銀行、勧業銀行などが新たに支店を設けるなど、小樽が戦前の活気を取り戻しつつある、と言われたころです。その小樽の目ぬき通りに店を出しているので、それなりのお店と思われますが「化学工業」のパンとはどんなものなのでしょうか?
実は現在「東京化学工業」という会社は現存しますが、金属金型などのメーカーです。同社のホームページによれば、昭和36(1961)年にゴム製品の会社として創業しています。時期が合わないので、同じ会社ではないと思われます。「実演販売」の文字も気になります。どんな「実演」があったのでしょうか?現在の会社が前史として食糧難の時代にパン製造をしていた、なんていうことはあるのでしょうか?