岩永楽隊
小樽では現存最古の時計店「岩永時計店」から当館に寄贈していただいた資料を紹介します。
この写真は堺町に現存する建物で、専属楽団のお披露目をした時の写真です。この写真の存在は以前から知られていましたが、今回は裏書も確認できました。
それによると、この建物は明治32(1899)年の建造とされています。
「明治三十三年 岩永楽隊」
おそろいのユニフォームを着た少年たちが写っているのですが、今回の寄贈いただいた資料の中に、なんとこのユニフォームが含まれていました。
明治33(1900)年当時のものとすると、約120年前のものです。上着は綿、ズボンは麻布のようですが、まだ詳細は不明です。
活動期間は?演奏曲目は?
他の資料から、明治期はこの少年楽隊による演奏が岩永時計店の名物として記録されていますが、大正期の文献には登場してきません。現在のところ、明治30年代から40年にかけて活動していたのではないか、と思われます。
演奏曲目を含め、不明な点が多いのですが、情報、資料をご存知の方はぜひ博物館にご一報ください。いずれにしても120年前の写真に写った衣装が残されているということに、小樽の街の奥深さを感じたできごとでした。