ハマベムクゲキノコムシ
海岸には海岸環境特有の昆虫たちが数多く生息しています。海岸に生息する昆虫は比較的小さな種が多く、今回紹介する「ハマベムクゲキノコムシ」(学名:Actinopteryx parallela Britten, 1926)は体長が約1mmです。
一体どれくらい小さいのか!?身近なものと比べてみよう
写真をご覧ください。お米とゴマと「ハマベムクゲキノコムシ」をならべてみました。こうしてならべてみると米粒が巨大に見えるくらい小さな昆虫であることがわかります。
そもそも「ハマベムクゲキノコムシ」が属するムクゲキノコムシ科の昆虫たちはいずれも体長0.25~2mmほどで、コウチュウ目のなかで最も体が小さなグループとして知られています。
ある日…
海岸に打ち上げられた海藻に集まっているところを見つけて採集したのですが、さすがに肉眼では何かわからず「なんか甲虫っぽいから採っておこう」と思い採集をしたのでした。
その正体は…
その正体を明かすべく、博物館に持ち帰って顕微鏡でのぞいてみると、なんとムクゲキノコムシ! ムクゲキノコムシの仲間が海岸に生息しているというイメージがなかったのでとても驚きました。
その後調べてみると「ハマベムクゲキノコムシ」という海岸に生息する種類がいて、日本でも各地で採集記録があることがわかりました。しかし、文献を探して読んでみても分類が混乱しているようで本当にこの種なのかわかりません。ムクゲキノコムシの分類を専門とする研究者の方に標本を送り、見ていただいて「ハマベムクゲキノコムシ」であることが判明しました。