家票挿入広告利用 小樽港明細案内図
今回は『家票挿入広告利用 小樽港明細案内図』(明治34(1901)年発行)をご案内します。80cm×110cmという、かなり大きなものです。
地図が発行された明治32年は小樽区が成立した年です。小樽の黄金期が始まったころの図ですが、描写はかなり「稚拙」というべきでしょう。家屋の表現を見ていただくと、同意いただけるかと思います。
明治29年に大火をおこし、住之江から松ヶ枝に移転を命じられた遊郭は翌33年までが移転期限となっていました。この段階ですでに大まかな形は出来上がっていたようです。
現在のJR小樽駅付近が市街地の限界で正法寺と直行寺が存在していました。この二つの寺院は明治36年に北海道鉄道が建設されるとさらに緑に移転します。
このほかにも、現在の日本銀行旧小樽支店の場所には裁判所が建っています。
また、堺町には「岩永時計舗」という文字が見えます。岩永さんは現在は都通りで営業されていますが、老舗の風格を保っています。