区営第一期埋立工事
令和5(2023)年は「小樽運河完成」から100年の年です。
ただ、大正12(1923)年に完成したのは「小樽運河」ではなく、「区営第一期埋立工事」であり、さらにこれは「小樽港修築工事」の一環でした。つまり大正時代に小樽区(市)が取り組んでいたのは沖合の人工島の建設で、運河はその副産物でした。
また当時すでに北日本一の商業港であった小樽港の荷役をストップせずに施工されたため、大きく4ブロックに分けて工事が行われ、随時使用されていきました。
第3区の工事写真
画面右にあるのは水上警察署で、もともとは龍宮橋付近にあったのですが、その部分が掘り込まれて水路(「運河」)となるため、新しく造成された埋立地に移転しました。
警察署手前では重機が埋立を行い、中央橋の架橋工事も進行しています。画面奥には艀が見えていて、埋立工事中も完成部分から随時使用され、艀荷役が盛んに行われていたことがわかります。
埋立工事完成
大正12年の暮れに最後のブロック第4工区の埋立が完成し、その認可状が大正12年12月27日に出ています。ただ、これは事務的な手続き終了ということで、テープカットなどが行われたわけでもなく、淡々と荷役作業が行われていました。
さすがに厳寒期、しかも年末のことでしたので、埋立工事完成式典は翌年、大正13(1924)年8月25日に若槻禮次郎などを招き、北海製罐を会場に行われています。