トンボ
今年の干支、辰(たつ)にゆかりのある生物ということで、小樽のトンボ(英語でdragonfly)についてご紹介したいと思います。
小樽ではこれまで45種のトンボが観察されています(北海道全体では約80種)。これは、一つの市町村としてはかなり多い数字です。幼虫時代を水の中で過ごし、成虫になると空中で昆虫を狩るトンボは、水辺と森の両方の環境が必要な生物です。トンボの種類の多さは、小樽の自然の豊かさをそのまま示しているといえます。
小樽での生息地域
小樽で特に多くのトンボが生息する地域は、銭函の海岸と毛無山の山麓(望洋台や朝里川温泉)で、環境の良い湿地が点在し、マダラヤンマやヒメリスアカネなど、絶滅が心配される希少種も見つかっています。また、天狗山など山間を流れる渓流には、原始的な特徴をそなえ「生きた化石」とも呼ばれるムカシトンボが多く生息しています。
水辺の環境の悪化により、トンボの数は全国的に減少しているといわれています。小樽でも、トンボがたくさん見られる場所は年々少なくなり、近年、姿を見かけなくなった種もいくつかあります。一方で、ショウジョウトンボやクロスジギンヤンマなど、最近になって小樽に現れ、住み着きはじめた種もあります。気候の変化によって、小樽のトンボの顔ぶれは今後も少しずつ変わっていくのかもしれません。
運河館の第二展示室には小樽のトンボを紹介するコーナーがあります。是非、ご覧になってください。