カメムシ
当館が行った市内の生物調査で採集された2種のカメムシが、北海道でこれまで1例しか採集例のない稀種だということがわかり、先日、専門誌上に新分布記録として報告が掲載されました。
ハマベナガカメムシとウスユキナガカメムシという種で、乾燥した草原に生息する小型でやや地味な外見のカメムシの仲間です。前者は環境省レッドリストで準絶滅危惧種に指定されています。
2021年7月、石狩市との境界に近い銭函海岸の砂丘で、驚くべきことに、同じ場所で同時に採集されました。この地域の自然の豊かさ、特殊性を改めて感じさせてくれる発見といえます。
ウスユキナガカメムシ
「ウスユキナガカメムシ」という和名は今回の報告で新称として提案したものです。この種は2020年に国内に分布することが報告されたばかりで、和名がまだありませんでした。特徴である白と黒の複雑な模様から、地面にうっすらと積もった初冬の雪をイメージして考案された名前です。共著者とあれこれ議論しながら新しい名称を考えるのは楽しい作業でした。