サッポロビヤホール
1枚目の写真は「サッポロビヤホール」です。現在のサンモール一番街、小樽駅側の入り口、ローソンがある場所にあったものです。昭和の末期までは「河村ふとん店」の倉庫として一部残されていました。
この写真そのものについては、まず右手奥にあるべき、丸井デパートが写っていません。したがって、大正11(1922)年以前の撮影と思われます。ここにサッポロビアホールができた年代については、いくつか文献で分かれていますが、大正後半だとすると、「ビール戦争」の終結後と考えられます。
もともと、地場産のサッポロが強い土地でしたが、大正4(1915)年に九州(創業は札幌麦酒でした)の「サクラ」が公園通りに店を構えます。さらにこれにキリンも加わり、「無料配布」合戦までエスカレートしていきます。
その終盤にできたのが、この写真のビアホールでした。
ガラス乾板
もう一つ、小樽市総合博物館所蔵写真の特徴があります。この絵葉書の原版となった写真が寄贈されていることです。小樽駅前で長く書店、かつては出版もてがけていた「いろは堂」から大量のガラス乾板をいただいたのですが、その中に多くの絵葉書の原版が含まれていました。
この絵葉書もみごとに当館所蔵のガラス乾板と一致しています。当時は、この原版の貸し借りも頻繁にあったようで、評判の良い写真はほかの店からも絵葉書として出版されていました。