出征旗
8月15日は終戦記念日です。終戦から80年が経過しましたが、昨年新たに寄贈された「出征旗」を紹介します。

出征された方たちもご健在の方が少なくなり、ご家族に残された遺品のゆく先をご心配の方からの電話も少なくありません。小樽の人びとの歩みにかかわる出来事を伝える資料ですので、できるだけ収集、保管をしたいところですが、収蔵庫の関係で同種の資料はお断りせざるを得ない状況です。
そんな中、今回寄贈いただいた「出征旗」には「小樽築港機関区隊員有志」と入っており、さらに日付が終戦間近の「昭和二十年五月一日」であることから、当館資料として保存することになりました。

ご遺族にお聞きしたところ、築港機関区で機関士をお勤めであり、その職種から応召が無かったのですが、ついに終戦まであと3か月のタイミングでの入営となりました。幸いにも出征先は栃木県での軍馬の管理であったため、終戦後に無事帰還、復職をなされたそうです。

戦争のない時代へ
小樽港は戦中、戦後は食糧などの物資の積出港として繁忙を極め、直接的な戦争被害は昭和20年7月の艦載機による空襲のみでしたが、ここから出征していった兵士など、多くの犠牲者を出しています。

「小樽が経験した最後の戦争」とするべく、歩んでいきたいと考えます。
