漬物
今回は雪と北海道の食についての内容です。北海道を含む積雪地域の食においては、漬物が非常に重要な役割を担ってきました。雪が積もると野菜の確保ができなくなるため、保存食として漬物作りは大切な冬支度の1つとされていたようです。
越冬用漬物


当館所蔵資料にも漬物に関する資料があり、木樽と複数の大根が写っています。大正7(1918)年10月に小樽区緑町の自宅で撮影されたようで、数本の大根を洗っている様子が見て取れます。そして右には「一家の主婦は漬物の大根洗いに忙殺され」と書かれており、漬物作りの苦労が垣間見えます。さらに、漬物作りが女性の仕事であったことも読み取ることができます。
何の漬物?
長期保存が可能な越冬用漬物は9月~11月頃にかけて作られることが多く、10月に撮影されていることから、この写真は越冬用漬物の下準備中と考えられます。ここから切る、または干すといった工程を挟み、いよいよ漬ける工程に入りますので、これからまだ手間と時間がかかります。大根を使用した漬物は種類が多く、この写真から何の漬物か推測するのは難しいですが、一体何を漬けたのかは非常に気になるところです。
一般家庭での漬物作りの様子がわかるこのような写真は大変貴重です。あたたかいものだけでなく、冬は漬物のシーズンでもありますのでぜひご賞味ください。