階段の美
建物において、階段は少し特別な場所です。利用する私たちが室内で数少ない上下の移動をする場であり、吹き抜けの階段であればぐっと開放的な気分にもなります。それによって諸室とはみえる景色も異なり、建物の中では最もドラマティックな場所とも言えるでしょう。
貴賓客用階段
その中でも旧日本郵船株式会社小樽支店の貴賓客用階段は至高の美しさです。
郵船の支店として利用されていた頃には、一般客は1階のみを利用し、従業員は専用の階段を利用したため、貴賓客用階段は2階の貴賓室や会議室を利用する限られた来客のみが使いました。このような特別な貴賓客用階段が、観覧ルートですので、皆様に使用していただけます。

貴賓客用階段では、上部の西洋風の窓から入って来る光が白い漆喰の壁に反射し、その中で木製の手摺や支柱飾りが引き立ちます。従業員階段に比べて踏板の幅も広く開放感も感じられます。

さらに、天井中心飾りとして繊細な漆喰彫刻が施されており、見上げるとその天井の高さも相まってとても綺麗です。

来館いただいた際には、ぜひその場でその美しさを体感してくださればと思います。