博物館70年の歩み⑧自然環境調査
旧日本郵船小樽支店を使用していた昭和50年代、小樽市博物館は調査研究活動を本格化します。特に、小樽をとり囲む自然環境の調査も小樽市博物館の活動の大きな柱の一つとなっていました。

日本海に面した約60キロメートルの海岸線をもち、赤岩に代表される山塊が所在する小樽は、当時次第に観光客が増加しつつあり、この観光客や市民生活が自然環境に与える影響の記録や、環境保護の基礎データ作成のため、昭和55(1980)年から「ニセコ積丹小樽海岸国定公園」内の自然環境調査に取り組んでいきます。
陸産・海産

小樽海岸における地質、地形、気象のほか、まず陸上で生息している植物、菌類、昆虫、鳥、哺乳類などを対象としました。結果、植物は64科191種類、菌類(きのこ)74種類、昆虫(蝶)84種類、鳥類167種などの生息していることが確認され、その詳細は、1983(昭和58)年3月発行の「小樽海岸の自然<陸産〉調査報告書」に掲載されました。

これにつづき、海岸、海中での無脊椎動物、魚類、海藻類、海獣類の調査を行い、昭和62(1987)年に「海産編」を出版しています。
これらの調査は、小樽をフィールドとする各分野の研究者と博物館が協力して実施され、その成果は、その後計画された各種の開発行為に対しても、自然保護についての基礎資料として活用されています。
特別展を開催

さらに昭和57(1982)年には調査成果をもとに特別展「小樽の自然 陸産編」を開催するなど、市民の自然史系への関心の高まりに対応しようとしています。
そして、3人目の学芸員として自然史(昆虫学)の研究者を迎え入れることになります。

